〜この地球で共に生きている動物を、無駄に殺さない為に〜
サルが畑や田んぼに来て困る。
屋根の上を歩いてうるさい。家の中まで入る。
サルを追い払うにはどうしたらよいか?
学習能力が高いサルには、これをすれば大丈夫というものは
ありません。
サル対策の基本は根気です。
サルにとってその場所が危険で、来たくない所にするのが
決め手です。
1、畑にやってくる原因を探る
ニホンザルが畑に来るのには、理由があります。
ニホンザルの群れは、テリトリー内を採食
しながら遊動しています。
夜明けと共に移動を始め、日没近くまで動きまわって
ねぐらで集団で寝ます。
サル達は
季節ごとに、どこに行けば
何が食べられるのかを良く知っています。
移動の途中で集落の近くを通り、畑
に作物(食べ物)があれば集団で食べて
しまいます。
では何故畑に来るのでしょうか?
私は、畑に人が居ない事が一つの原因と考えます。
何故、人が居ないのか?
それは、農業の衰退に関係があるのではないでしょうか。
作物を作って売るという農家の畑は、絶えず農作業をする人が
いて、ニホンザルにとってはちょっと、
出にくい状況です。
人がいない畑にはサルに限らず野生動物が
警戒する必要がない為、出てくるのです。
2、ニホンザルの嫌いな事をする
電気柵
しかし農家は、作物を食べるためにやって来るニホンザル
が来る原因を完全に取り去ることはできません。
無人の畑が増えた現在、もっとも効果的な方法は・・・。
田んぼや、畑を徹底的に電気柵で囲う。
中途半端な電気柵ではニホンザルを追い払う事は
出来ないと考えます。
設置の方法も様々で、専門家の意見を取り入れ
完全な柵を設置したいものです。
3、ニホンザルを徹底的に追い払う。
そしてもっとも肝心な事は、ニホンザルを見たら
徹底的に追い払うことです。
ニホンザルが一番怖いと思うものは人間です。
いかにその場所がニホンザルにとって危険な場所であるかを
根気よく教えなければなりません。
撮影していて「ニホンザルに襲われませんか」
という質問をよく受けます。
とにかく人間が一番怖いわけですから、
サルと出合ったら
背中を見せず、毅然とした態度で
対処して下さい。
ニホンザルにとって、人が一番怖い生きものです。
よほどのことがなければ襲ってきません。
また根に持たれたり、復讐されることもありません。
どうしても追い払うと言う毅然とした態度が必要なのです。
ニホンザルが人を怖がるようになれば、
トラブルが少なくなるのです。
4、対策・提案
人とサル・野生動物との住み分け。
・畑にサル追いの人を配置し、サルが出てきたら
徹底的に追い払う。
・サルが畑に出てきたら、村内放送で知らせ
皆で追い払う。
・現在もっとも有効な手段の電気柵の設置
(効果的な設置方法の確立)
電気柵を設置しても、やりっぱなしではいい効果は得られない。
柵回りの草刈の徹底。
他人任せ(行政)にしないで、畑の持ち主自らが
管理するようにしたい。
5、最後に。
ニホンザルは、
全国で、農林業被害が理由で年間約1万頭が
駆除されていると言う・・・。
人と野生動物の共存には、人による保護管理
が必要な時代になってきたと思います。
今、人が日本列島に渡ってくるよりももっと昔から
住みついていた野生動物達と、いかに共存していくか
人の優しさに期待しています。
くまさんより!
2005.3.1 Copyright F sakuma |