世界初!白色光&蛍光観察可能な卓上型クライオ(冷凍)走査型電子顕微鏡

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 株式会社ドキュメンタリーチャンネルは高品質な自然科学映像、特に顕微鏡撮影する技術や経験を生かし、自然科学系の研究分野で役立つ革新的な卓上型複合顕微鏡の開発を行っています。光学顕微鏡と電子顕微鏡で同じ視野を撮影できる、より廉価な複合顕微鏡が開発されることは、限られた先端的な研究現場だけでなく、多種多様な分野の顕微鏡が必要な現場における「潜在的なニーズ」として求められ続けてきました。本来、ユーザーの立場にある弊社においても、その高い必要性があり、自社における取材や研究における撮影のために運用することを目的として、複合顕微鏡の開発を進めてきました。

 本開発機を示す複合顕微鏡の一般名称の英語表記は、 Table-top Cryo Light & Electron Hybrid Microscopeとしております。私たちは、その頭文字をとって、クライオ・レーム (Cryo LEHM)と呼んでいます。現在開発中のクライオ・レームは、その類い稀な撮影能力と拡張性の高さから、顕微鏡撮影のプロフェッショナルである私たちの撮影ニーズを満たすだけのものではなく、より多くの必要とされている研究などの現場で運用され、社会のニーズに応え、これまで不可能であった課題を解決するために利用されるべき優れたものであると判断し、今後、製品化を予定しております。私たち自身が顕微鏡のヘビーユーザーとして、そして、他の多くの顕微鏡ユーザーの意見を参考にしながら、徹底したユーザー目線でのニーズを満たせるように製品開発を進めており、とてもユニークな顕微鏡となっております。製品化が順調に進めば、2024年4月から受注を開始する予定です。

 弊社のクライオ・レームに関心がある顕微鏡ユーザーの方は、問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

 

 

 一台で三役、複合型顕微鏡 技術開発機を「トライブリッド顕微鏡」と命名

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 株式会社ドキュメンタリーチャンネルは、生物試料などを凍結し、光学レンズと走査型電子レンズで同軸観察ができる小型のクライオ・レームの開発に、世界で初めて成功しました。生物研究などにおいて使用される①光学顕微鏡、②走査型電子顕微鏡、③試料冷凍装置の3種類の機能を融合した省スペース、低ランニングコストの顕微鏡です。一台で三役、担うことができる複合機であることから、弊社では、これを「卓上型トライブリッド(クライオ・光学・走査型電子)顕微鏡 Tribrid Microscope」と命名しました。

  多様な色情報を得ることができる光学顕微鏡(OM)と、光をはるかに超える解像力を誇る走査型電子顕微鏡(SEM)を組み合わせることで、色情報を得ながら微細構造を観察できるようになりました。また、液体窒素を使わずに、マイナス120℃程度まで冷却・凍結できるクライオシステムを内蔵しており、水分を含んだ生物試料を無化学固定、無蒸着のまま試料室内に導入し、すぐに観察を始めることが可能です。

  電子鏡筒の小型化は、新開発の超小型永久磁石型電子レンズを採用することで実現。1kVという低い加速電圧で観察するため、水分を含んだ無蒸着の試料の観察に適した卓上型電子顕微鏡の「バイオモデル」です。低加速電圧ながら、1万倍を超える観察でも、十分な分解能を発揮できることが大きな特徴です。光学顕微鏡は、高輝度LED光源を用いた同軸照明を基本としており、蛍光観察にも対応可能です。試料ステージは5軸(X、Y、Z、回転、傾斜)で微動することが可能。医療や食品、ゴミ処理、新エネルギーなど、生物資源やバイオ技術を用いた「バイオものづくり」における研究・開発などでの利用を想定しています。

   開発機の主な仕様は、アルミ製試料台(直径15mm)、冷却能力はマイナス120℃、走査型電子顕微鏡の分解能は約40nm、光学顕微鏡の分解能は約1-2μm。本体の高さは50センチメートル、総重量は60kg。総消費電力は200-400W。

 開発は走査型電子顕微鏡の開発会社である株式会社テクネックス工房(東京・町田)と共同で行っており、特許出願済。早ければ、2024年に製品化、価格は1000万円以内を想定。

 2023年6月26日から、島根県松江市で開かれる「日本顕微鏡学会第79回学術講演会」に参考出展し、また本開発機に関する以下の学術発表(2題)を行う予定です。

・「世界初!卓上型クライオSEM を用いた 光学および電子レンズによる同軸観察 (Coaxial CLEM observation using a novel table-top cryo-SEM system equipped with optical and electron lenses)」

・「世界初!卓上型クライオSEM を用いた 無固定・無蒸着による生物試料の観察(A novel table-top cryo-SEM system facilitates observation of biological samples without fixation and metal coating)」 

 2023年9月15日から、島根大学で開かれる「医学生物学電子顕微鏡技術学会第39回学術講演会」に出展し、また本開発機に関する以下の学術発表を行う予定です。

・「卓上型クライオSEMを用いた共生藻類の光学および電子レンズによる同軸観察 (Coaxial CLEM observation of symbiotic algae using a novel table-top cryo-SEM system equipped with optical and electron lenses)」

 

 

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ドクダミの茎の断面(撮影協力:埼玉大学 金子康子)

 

 

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